当山護持仏像の重要文化財指定につきまして
この度令和2年3月19日文化庁において開かれました文化審議会において、当山本尊「十一面千手観音立像」と眷属「二十八部衆立像」が国指定重要文化財として認定され、文部科学大臣に答申されました
文化審議会では、鎌倉時代の関東(坂東)の地における「快慶」の一門に連なる仏師の動向を知るうえで貴重な仏像群であるとの評価を頂きました
霊験ある御本尊として、貴重な文化財として、ぜひとも御参拝いただけますよう御案内申し上げます
本堂拝観料 100円(外陣での拝観となります)
拝観時間 午前9時より午後4時まで
《解説》
十一面千手観音立像
重要文化財の厨子に安置される本尊は、ヒノキ材の寄木造り・玉眼・肉身金泥・衣漆箔で、頭上に十一面をあらわし四十二本の腕を持ち、大壇那浄成・栄覚のもと、仏師法眼快勢・法橋快賢によって、文永元年(1264年)十二月二十一日に作り始めたということが分かっている
二十八部衆立像
厨子の左右に本尊を守護する眷属として二十八体の仏像が安置されている
これらを二十八部衆といい、文永五年(1268年)から弘安十一年(1288年)にかけて、仏師定快とその一門によって造られたものである
御本尊修復のお知らせとお願い
国重文指定記念事業
御本尊千手観音立像修復のための御寄進のお願い
当山は、仏教が日本に伝わって間もない大化年間に若狭の国の八百比丘尼が関東遍歴の折この地こそ諸天鎮護の霊地であると感得し観音像を安置したことに始まり、その後、奈良時代天平年間には行基菩薩がこの地を塩船と名づけ、更に平安時代貞観年間には比叡山の僧安然が阿弥陀堂薬師堂を建立、七社権現を奉遷、十二の坊舎を建て、興隆を極めたと伝えられる関東の古刹でございます。
その後、鎌倉時代には現在の埼玉県入間市に拠を置いた鎌倉武士金子氏の帰依を受け、本尊千手観音立像が仏師快勢により造立、続いて二十八部衆立像が仏師定快により造立されました。
さらには室町時代末期には、豪族三田氏の庇護により本堂、阿弥陀堂、山門の建替が行われました。
このように幾多の盛衰を経て歳月を重ね、昭和二十一年に本堂、阿弥陀堂、山門が国宝(昭和二十六年文化財保護法制定により国指定重要文化財)に指定されました。
そして令和の時代となり、御本尊千手観音立像及び眷属二十八部衆立像が国重要文化財として指定を受けることになりましたが、これを機に、御本尊千手観音立像を未来永劫護持するため、文化庁の指導により修理修復することとなりました。つきましては、修復にあたり皆様方に御寄進をお願い致したく存じます。
もとより修復の御寄進は、御本尊千手千眼観自在菩薩様に佛恩感謝の誠を捧げるとともに、御本尊様と固い絆で結ばれる絶好の機会でございますので、十方有縁の皆様にご賛同をいただき、この浄業達成にお力を戴きたくお願い申し上げます。
なお、ご寄進いただいた方々のご芳名は、本堂内に保存し本堂ある限り御祈念いたす所存でございますので、格別の御芳志を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
※勧募受付期間は令和四年十二月末日までとさせていただきます。御寄進につきましての詳細は、当山窓口にて、もしくはお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
重文指定記念出版『塩船観音寺』
令和2年に重文指定された御本尊・千手観音、二十八部衆をはじめ、塩船観音寺護持の仏像群について網羅された解説本です。当山観音寺の仏像研究の第一人者、山本勉先生による執筆であり、専門的でありながら読みやすくわかりやすい一冊となっております。
書名 『塩船観音寺』
著者 山本 勉
出版 中央公論美術出版
価格 1,100円(税込)
(著者略歴)
山本 勉(やまもと つとむ)
清泉女子大学名誉教授
東京国立博物館名誉館員
文化審議会文化財分科会第一専門調査委員
著書:『仏像のひみつ』(朝日出版社)
『運慶にであう』(小学館)
『日本仏像史講義』(平凡社)など
※印刷(プリントアウト)できない方は、こちらの注文書を参考にお作りいただくか、お電話にてお申し込み下さい。
(書店ではお買い求めいただけません。観音寺のみの限定販売となります。)
(郵送も承ります。郵送料は以下のように頂戴いたします。)
一冊の場合 210円
二冊の場合 250円
三冊の場合 390円
四冊以上 500円
真言宗醍醐派 別格本山 塩船観音寺 〒198-0011 東京都青梅市塩船194 電話 0428(22)6677